🔰何を買えば遊べるの？

体験版で遊びたい場合は、体験版デッキ付きコンプティーク2024年3月号を購入してください（電子版には付属していないので注意）。構築された25枚のカードで体験版ルールを遊ぶことができます。2冊買えば50枚になるので、そこから10枚カードを抜くだけで、体験版ルールではない40枚の正式デッキと正式ルールで遊ぶことができます。

なお、コンプティーク収録の体験版ルールには１箇所誤植があります（正しくは、アイサツ対象選択・ステップでは、相手のキャラクターの状態に関係なく、アイサツ対象にすることが可能、になります）詳しくはTCG社のサイトで最新版のルールを確認してください。

製品版は近くのゲーム屋さんなどで予約するか、発売後に購入してください。最初は「スターターセット」（1,980円/税抜）がお得だと思います。その他、商品の詳細については以下のページを参照してください。

🎴対戦相手を探している人へ

ニンジャスレイヤーの公式DiscordサーバーにTCGの雑談部屋や対戦相手募集チャンネルが設置されました。リモート対戦もできます。製品版発売までの間、いくつかのサーバー内ハウスルールが適用されていますが、これらは公式にアナウンスされたルールではありませんので注意してください。

また、ニンジャスレイヤーの公式Discordサーバーにて、リモート方式の非公式カジュアルトーナメントを3月から4月頃に開催予定です。最新ルールは常に開発/販売元であるTCG社のサイトをチェックしてください。

Discordサーバーでリモート対戦をする場合は、PCに加えて、手元を映せるカメラセットが別途必要になります（本格的なセットでなくても大丈夫です）。翻訳チームも以下のようなアームと外付ウェブカムを使っています。

🌵PROによる体験版レビュー記事

よくきたな。おれは逆噴射聡一郎だ。おれは毎日ものすごい量のテキストを書いているが、だれにも読ませるつもりはない。しかしおれは今回ニンジャスレイヤーのT.C.G（トレーディング・カード・ゲーム）のコンプ体験版デッキをダイハードテイルズの連中とプレイしたところかなり面白く、これはただごとではないと感じたので、今こうして特別にレビュー記事をしたためている格好だ。なおおれはM.T.Gなどをけっこう昔からプレイしていた経験があるうえ実際に今回も25枚デッキと40枚デッキでそれぞれ何回も回しているため、実プレイもせずルール概要だけさらっと読んで適当に評価する腰抜けエアプやろうとは全く違う真の男であることが完全に照明されており、おれの記事は信頼に値するレビューだといえるだろう。

ニンジャスレイヤー・・・・・それはサイバーパンク世界ネオサイタマを舞台に邪悪なニンジャをニンジャスレイヤーが殺す物語だ。作中では数々の激しいアクションが展開され、さまざまな能力を持つニンジャのキャラクターもたくさん出てくる。そういう意味ではたくさんカードが必要となるTCGとニンジャスレイヤーの相性は実際良い予感はしていたが、実際遊んでみるまでは予断を許さない。おれは過酷なMEXICOで生き抜いてきた経験から、なにごとにも過度な期待をせず、期待値を下げまくった状態からPLAYに臨むことにしている。しかし体験版をやってみると・・・これはすごいニンジャスレイヤーらしさがあらわれた野心的なゲームデザインとなっていることがわかった。具体的にどの辺りが面白かったかを具体的に書いていく。

LET'S PLAY……アイサツしてから開始する

おれがまず驚いたのは、このゲームをやるときはプレイヤー同士がアイサツしなければならない点がルール内に明記してあることだ。しかもごていねいにアイサツの定型文まで書いてある。おまえは試合会場で手を合わせ、まるでニンジャのように、相手にアイサツをして名乗り合ってからゲームを始めねばならない。次に驚いたのは、カードテキストが縦書きになっていることだ。このたたずまいの時点で、他のカードゲームとは一線をかくした野心的な雰囲気を感じ、おれは襟を正し、CORONAビ＝ルを１本空けた。そしてプレイし・・・・・ユカノとかナンシーとかがいっぱい出てきて・・・・・・気がつくとあっという間に５回くらいPLAYしていた。これはドリトスと同じくらいの高い中毒性であることが明確に示されている。

そして肝心なのは、中身だ。もしおまえが真の男ならば、１回プレイしただけですぐにわかるだろう・・・・これは決して適当に作られた単なるイロモノPARTYゲームなどではなく、ちゃんとしたゲームバランスと駆け引きが存在する真のカードゲームであり、ニンジャスレイヤーの雰囲気もところどころでテクニカルに再現しているということを。

おまえはかつて、SNSで回ってきた小説ニンジャスレイヤーの噂とかを読んだ時に「どうせインパクト有線のおもしろ出落ちネタ小説でしょ？」などと侮っていた経験があるかもしれないが・・・・・その後ちゃんと読んでみると、実は小説としての中身が伴っていることに驚いたはずだ。このゲームもそれと全く同じだ。アイサツとか用語などの表面的インパクトだけでなく、実際にやり込むと中身についてもちゃんとした骨のあるゲームデザインとなっていることが感じ取れるだろう。少なくともこの体験版デッキx2を使った40枚の構築済みは、独立したゲームとしてかなり練られているとともに、いい具合にもっとカードが欲しくなる見事な作りといえる。

展開スピードが速く、派手で、攻撃的

いいかよく聞け。このゲームはまるでニンジャやアッパー調整をキメまくった格ゲーのようにアグレッシブだ。とにかく展開スピードが早く、おまえはニューロンを加速させての判断をつねに強いられ、それでいてワンサイドゲームにはならず、決着付近では粘りのドラマが生まれやすいため、見てるギャラリーも盛り上がる。

何故スピーディか？　たとえば、このゲームのドロー枚数は２枚だ。ふつうのカードゲームだと毎ターン１枚デッキから引いてくるところを２枚引くルールであり、つまり常人の２倍・・・・これは実際ものすごいスピードで自分のデッキが消費されて手札が圧縮されて盤面が展開してゆくことを意味している。

リソース事故も起こりにくい。このゲームでは土地とかマナとかそうゆうリソースに関するパワーを「エテル」と呼ぶが、おまえは毎ターン手札からどれでも１枚をエテル生産用カードとして盤面に配置できる。これは近代的なSYSTEMだ。つまりおまえは、キャラクターを場に召喚したりコトダマカード（M.T.Gのインスタントのようなもので、スタック処理もちゃんと存在する）を使うためのリソースとして、手札から何でも１枚えらんで配置できるのだ。重すぎるくせに序盤に回ってきてしまったカードや、ダブってしまったキーカードなどをエテルにすれば、手札の回転もおのずと良くなる。

殴り合いの展開も早い。まるでMEXICOのサルーンだ。おまえがコストを払って場に出したキャラクターは、出したターンからすぐさま攻撃に移れる。召喚酔いとかそうゆうのはない。これはなかなか強烈で、初めてプレイした時おまえは、ぜったいルールを読み直すだろう。これは要するに最初のターンに先手プイヤーがいきなりキャラクターを２人とか３人とか場に出して後攻のプレイヤーの顔面にダイレクトアタックすることを合法としているシステムであり、体験版の40枚デッキですら運が良ければ２人とか３人とか場に出す暴挙を実行可能だ。ニンジャのように相手を素早く殴りたい気持ちが全カードにあふれ、はちきれんばかりにみなぎっている。それはおまえの真の男としての闘争心に火をつけるだろう・・・・。

またカードパワーはどれも相当強く、パッと見、壊れすぎていないか心配になるような恐ろしいコンボが普通に存在する。たとえばニンジャスレイヤーが場に出ると、相棒であるハッカーのナンシー・リーを０コストで場に出せるようになる。同名カードを２枚以上出してはいけないルールは無いので、ナンシーを一気に複数並べることも可能だ。ヘタをすると１ターン目からこれが成立する。・・・・思えば原作でもニンジャスレイヤーが重要なミッションを遂行するとき、ナンシーの電子的な救援は不可欠かつ無慈悲なものだったが、このシナジーは見事にそれを表しているといえるだろう。しかも体験版デッキのカードプールでは「インターラプト」能力を持つブロッカーがほとんど存在しない。

ウケミで耐えろ

「じゃあスタート時の手札が上ブレしたら速攻でゴリ押しされて終わっちゃうじゃん、ノーガードで殴り合うだけの運ゲーじゃん」・・・・説明文を読みきらずに承諾ボタンを押してしまうタイプの現代っ子のおまえはそんなふうに脊髄発射で決めつけるかもしれない。そしてネットフリックスを倍速再生しTiktokで分かった気になる・・・・・・だがそんな態度でいるとコスパとかタイパとかに振り回され大切な何かを見失ってしまうだろう。お前はこのゲームを通して現代の警鐘を感じ取り、成長しろ。実プレイすればすぐに解るが、そういうピーキーで派手な戦法がふんだんに用意されていながらも、一筋縄ではいかない仕組みがある。それが「ウケミ」だ。

プレイヤー本体がダイレクトアタックを受けてライフが１減る時、やられた側はダメージトークンとかを置く代わりに、デッキのカードが１枚焼かれる。そして・・・・・焼けるカードに「ウケミ」と書いてあった場合、その分のダメージは打ち消される。ダメージを受けないのだ。そのうえ「ウケミ」のテキスト効果が発動する。

たとえばユカノ・・・・・・こいつはドラゴンドージョーから来たホットなベイブで「今日のアンブッシュは何点もらえるかしら？」とかいいながら登場してくる。おまえがダメージを受けた時、ダメージ処理のためにデッキからカードをめくり、ユカノのカードを引き当てると・・・・ウケミでダメージを打ち消した上に、ユカノが突然ノーコストで飛び出してきて、おまえの場に配置されるのだ。これはなかなか強烈で、初めてユカノが出てきた時おまえはぜったいルールを読み直すだろう。だが実際そうゆうルールなのだ。

このように、おまえがダメージを受ければ受けただけ、デッキ内の「ウケミ」カードを引いて事態を逆転できる可能性も発生する。これが一方的に本体を殴り合うだけのゲームにならないギリギリのバランスを確保し、攻める側にも守る側にもビリビリとした緊張感を与える要素となっている。だから序盤でおまえが大ダメージを受けても降参するにはまだ早い。ウケミカードが出るよう祈りながらデッキをめくれば、大体なんとかなるからだ。序盤にウケミが全然出てこなかったということは後半に固まってるわけだから、まだまだ粘れるはずだ。真の男本来のガッツを見せろ。

「じゃあ４０枚ぜんぶウケミにすれば無敵じゃん」・・・おまえはすぐに安易な道を選ぼうとする。だが、そうは問屋はおろさない。デッキを全部ウケミにはできないルールがはじめから決められている。つまり、通常ルールでは、デッキ40枚のうち最大16枚までウケミカードを入れられることになっているという寸法だ。これはつまり、相手に２ダメージ与えても１点くらいはウケミで回避されることが数学によって明らかとなった。本当はもう少し低い確率だが、おれがやると体感的にそのくらいの頻度でウケミを出されて回避されている。なので実質おまえのライフは10点ではなく15点以上あると言っても過言ではないだろう。逆に、おまえが序盤でサンシタを揃えて速攻を仕掛けても15点を削り切るのは容易ではなく、それどころか全部ユカノで返されて次のターンボコボコにされる危険性もあるのだ。

おれは興奮する

以上、おれはこのゲームを体験して驚いたところをそのまま書いた・・・・おれの驚きと楽しさが伝われば幸いだ。今回はあまり触れなかったが、この他にも「コトダマカード」という概念がある。コトダマは、TCGに手を出す者が一度は憧れるであろう・・・・クレバーな読み合いと手札カードの応酬による大逆転・・・・・つまりは敵に使われたカードとかキャラクター効果を自分の手札カードを後出しして「お前がそれを使うならおれはこれを使うぜ」と手痛いカウンターを食らわせるようなやつ・・・・そういうのをやる欲望を実現できるカード種別だ。ほかにも敵の低コストサンシタを次々殺す「ニンジャスレイヤー：飛翔」の爽快さや「キリモミ回転ジャンプ」の便利さなど言いたいことはたくさんあるが、このくらいにしておこう。コンボ発見の驚きやハメ技みたいなのを食らった時の「ふざけんなよ！」みたいな気持ちはGAMERであるおまえ自身が体験して血肉とすべきものであり、おれはそこのネタ・バレをあまりしたくはないからだ。

これまで漠然と「TCGをやりたいな」と思っていたが、何から始めたらいいかわからず、いまいちやる機会がなかったやつも、ニンジャスレイヤーTCGはルールがシンプルかつデッキ構築も簡単そうなので、入門用として向いているとおれは思った。少なくともこの体験版x2の40枚デッキは間違いなく楽しめるカードゲームだ。おまえは今すぐ書店に行って残っているコンプティークを買って体験版デッキを組み・・・・・ニンジャスレイヤーTCGという名のMEXICOに足を踏み入れろ。おれがいいたいことはそれだけだ。

（文：逆噴射聡一郎PRO）

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