銀貨の行方(後編)

承前

 奇妙な広間だった。其処彼処の壁や、書棚の脇に、砂時計の群が掛け置かれていた。グリンザールが通りすぎざまにそれらの一つを覗き込むと、其処に在るのは砂粒ではなく、何かひどく小さな、ぞわぞわとした虫めいた生き物で、それが砂時計を逆に昇ろうと試みては、滑り落ち、昇ろうとしては、滑り落ち、を繰り返しているのであった。その光景が余りに呪わしかったので、グリンザールはその一つに蹴りを入れて叩き割った。中から漏れたものは、黒く泡立って、地に吸われていった。

この続きをみるには

この続き:14,063文字/画像1枚
この記事が含まれているマガジンを購入する

ダーク・ゴシック・ヒロイック・ファンタジ。隻腕の剣士グリンザールと隻眼の吟遊詩人ゼウドが夕暮れの世界で冒険を繰り広げる。 試し読みはこ...

または、記事単体で購入する

銀貨の行方(後編)

ダイハードテイルズ

100円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

🍣🍣🍣キャバァーン!
24

灰都ロヅメイグの夜(DHTクラシックス)

ダーク・ゴシック・ヒロイック・ファンタジ。隻腕の剣士グリンザールと隻眼の吟遊詩人ゼウドが夕暮れの世界で冒険を繰り広げる。 試し読みはこちら: https://diehardtales.com/n/n8215f7ee5535