S3第2話【エッジ・オブ・ネザーキョウ】#2

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 埃っぽい風が、開け放たれたモミジ材の大門を吹き過ぎる。門の傍らには「セキショ」とショドーされた立て札が建てられており、ヤリやサスマタで武装した白帯のゲニントルーパーが通行を止めていた。これにより、入場者は繁盛するネオサイタマ・ソバ屋台めいた行列ができていた。徒歩。馬。バイク。

「通ってよし!」「届けはあるか!」「貴様、首のそれはインターネットか? 何をする気だ」……その行列にはマスラダとコトブキも含まれている。「これは大変ですね」シグルーンを押すマスラダに、コトブキが声をかけた。「日が暮れるまでに入れるでしょうか? 宿を予約してあるわけでもないですし」

「アイエエエ!」打ち倒された哀れな市民が鞭打たれる。「貴様は暗黒メガコーポの債務があるな! そのバーコードは明確な証。社会不安に繋がるゆえ、入場まかりならん」厳しいのだ。コトブキは不安そうに瞬きした。「大丈夫でしょうか……」「何がだ」「疑われたりですとか……」「堂々としていろ」

「堂々と」コトブキは拳を握った。マスラダは頷く。「足止めを受け入れる必要などない。ふざけた茶番に付き合わせるつもりなら、そのまま通るだけだ」「なるほど!」列は止まり、また動き、また止まる。「浸透圧が良い生理食塩水のボトルあるよ!」「待ち時間でギャンブルできるよ!」物売り達。

「旦那たちィ! 俺ァねえ、ネザーキョウの武力に憧れたんだよねェ!」巨大な牛刀を担いだチンピラが門番相手に意気込んでいた。「俺のカラテで、コクダカをもらって、成り上がりてェわけですわ!」「健康優良! 通れ」「アリガトゴザイマス!」……「仕官は手当たり次第なのかもしれませんね」

 然り、ハッカー然とした者やミュージシャン等は門前払いを食い、カラテをアピールする者は通過しやすい傾向が見て取れた。ああして仕官した者達が、ゲニントルーパーとなり、威張ってまわるというわけだろう。「カワラを割るといいかもしれません。わたしも得意……」その時である。

「何だとォ!?」

 野太い声、そしてざわつき。破鐘めいた声。「ワシを通さんだと? ふざけおってからに!」遠目からでもその異様さは明らかだった。太った巨漢で、背中には奇妙な書体で「百道」という漢字が書かれている。マスラダは眉根を寄せた。「アイツは、ニンジャだな」

「そこに止まれ!」サスマタを構えたゲニントルーパーが緊張しながら叫んだ。どこからともなく何人かのゲニンが増援されてきた。赤帯ゲニンのかざすダウジング振り子が激しく揺れている。「き、貴様は危険なジツ使いの反応が強い! 今すぐにセンシが到着するゆえ、沙汰を待つべし……」「アァ~?」

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