【アイアン・アトラス・バトルロイヤル!】分割版 #6
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クリスタルオモテナシタワー! レイド・チョウの端に屹立するこのランドマークは実際高い産業高層ビルディングであり、周辺に巡らせた多層構造の高架ハイウェイはまるで城郭の堀と胸壁めいて守る。八角形に面取りされたビル壁は七色にライトアップされ、ゆっくりと振り向くホログラフィ・オイランは蠱惑的に目を伏せる。まさにその名通り水晶の塔じみたこの建物は、レイド・チョウを睥睨する繁栄の象徴であった。
その57階! 磨かれたガラスに己の姿を映し、邪悪なニンジャ、ユーチャリスは、黄金のシャンパンを満たしたグラスを片手に、はるか眼下、レイド・チョウの夜景を見下ろしていた。
「アスタロス。見ろ。俺達が這いずり回っていた街が、まるでゴミだ!」
「フハハハハ、いきなりポエットかよ、ユーチャリス=サン」
アスタロスはイタマエがリアルタイムで握るスシを食べながら、不気味に笑った。
「実際ゴミだろうよ。今更知ったのか?」
「オイオイ……もっと熱くなれよ。俺達はゴミから抜け出し、こうして天上界から見下ろす権利を手にした。お前も飲めよ……黄金のシャンパンをよ!」
「権利、と来たか……フフフフ」
アスタロスはトロ・スシをひとつかみで4つ咀嚼し、イタマエを震え上がらせた。常識の通用しないニンジャ達を相手にしてきたイタマエであるが、トロ・スシ4つは恐るべき非常識であった。たった一度の咀嚼で、ネオサイタマ中流階級の月収相当が吹き飛んだのである。
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