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【灰都ロヅメイグの夜】 ハルコ=プギジュの鯨 (後編)

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 霧と酩酊の都においても、時だけはひとしく速やかに進んだ。ゼウドと別れてから、早くも一刻が経過しようとしていた。グリンザールは赤光刀の儀式を完了させるべく、脇目も振らず秘薬の調合を続けた。すなわち泡立つ〈魔女の羊水〉、呪わしき三号硫黄、紫含まぬ数本の赤髪、磨り潰したる多孔質の火葬骨炭、黄金の蜂蜜、そしてホタルトンボの精髄と油を小瓶の中で混ぜ合わせ、古言語の呪詛とともに刀身に塗り込むべし。

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