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S4第7話【テンペスト・オブ・メイヘム】分割版 #4

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 マルノウチ・スゴイタカイビル! 緑に覆われ、邪悪なる半神の玉座めいて聳え立つ禁断のランドマークは今、エネアド社の武装勢力によって実効支配状態にあった。セトの目を意匠したエンブレムを刻印したハイテック兵士たちは装甲車やタレットと共に陣を為し、金色の立方体の光の下で警戒を続けていた。

 平常時であれば到底、スゴイタカイビル周辺のような地価一等地を、単独企業の……それもエネアドのような新興企業の軍隊によって封鎖する事など不可能だ。だが今のネオサイタマにおいては、それがまかり通ってしまう。この異常な環境下で列強企業は安全の確保を優先し、じっと息をひそめ、状況を見定めようとしているのだ。

 空から降り注ぐ黃金の光は有害である。浴びれば正気を失い、セイケン・ツキしてしまうからだ。だがエネアドの戦士たちは……時折不安げに空を見上げつつも……無事であった。エネアド社をフロント企業とするリアルニンジャ、セトが一人一人に下げ渡した腕輪の加護が、彼らをカラテ発狂から遠ざけていた。

「まったくファッキング黃金太陽様だぜ」「それにファッキング緑だ。最悪だ」「このお守り、ほんとに意味あんのかよ?」「やめろ! 試した奴がどうなったか、俺は知ってる」「フーン……」「絶対に外すなよ。お前を殺す事になる」「クソ自然め。鹿に襲われた事あるか? キョートで」「あるさ」「マ?」

「じきにここもキョートみたいになる」「鹿がいっぱい沸くのか?」「知るか。自分で考えろ」「チェ」彼らはスゴイタカイビルを見やった。何者かが封印されしビルの入り口を開き、侵入したのだという。その詳細は彼らに知らされていないが、とにかくそれ以来、他の者が中に入らぬよう保全せよというのだ。

「中、どうなってる」「さあな」軽口を叩く彼らのもとに、ビルの影から染み出した顔なきニンジャが連続側転で襲いかかる!「イヤーッ!」「来たぞ! 対処せよ!」「ゴーゴーゴー!」BRATATATATATATA!「アバババーッ!」顔なきニンジャを爆発四散させると、彼らはハイタッチし、セトに祈りを捧げた。

「要は、今のが人間型のファッキング・シカだな」「だな。ネオサイタマは今後一生こうなのか?」「かもな。ハハハ! クソが」銃火器をリロードし、タバコをくゆらせる彼らの視線を避けながら、今、軍用ピザ配達員コス・プレイ姿の麗しいウキヨの娘が中腰姿勢で忍び進む。……コトブキだ!

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