S4第7話【テンペスト・オブ・メイヘム】分割版 #3
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「お前は、古き王家の血を引いているんだよ。お前は他の者達と違うンだ。お前のその輝くような相が、王家のものでなければ何なのだね!」神憑りの老婆は幼いメイヘムにいつも同じ言葉を繰り返した。その老婆だけが幼いメイヘムの唯一人の味方だった。濡れた土と、泥の川。トタンの家々。地平に高層ビル群。
物狂いの老婆は、メイヘムが12歳の時に死んだ。メイヘムも死ぬ筈だった。老婆を殺したのは、彼女よりも若い子供だった。子供がいきなりリボルバー銃をぶっ放し、標的を逸れて、その老婆の脳天を吹き飛ばしたのだ。その銃声が抗争の引き金となった。怒号、悲鳴、死や殺しを恐れぬ者達。メイヘムは血みどろで倒れていた。
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