【ザ・ビースト・オブ・ユートピア】#5
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「嗚呼、なんという事だ、厭わしいジツを使う!」
「アスクレピオス、遊んではだめよ」
「心しよう、愛しいヒュギエイア。このゴミはどんな声で泣くだろうね」
「私も楽しみだわ、アスクレピオス。でもね、楽しむには用心深さが必要よ」
2人のロイヤルコートはデスドレインを挟むように足を運び、間合いを取った。
「ヘヘヘヘヘ……治ってんのか……? 何だそりゃァ……!」
デスドレインは猫めいて、残忍貪欲に笑った。
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「愛の力。それが私たちの特権……」
ヒュギエイアがうっとりと呟くと、アスクレピオスは力強く頷いた。
「その通りだ……。我らは永遠を誓いあった。永遠とは死によってすら分かたれぬという事……まして貴様ごとき醜いゴミムシには決して干渉できない世界を流れる力……運命がもたらす愛の永遠なのだ」
「アスクレピオス。早くハイランドに帰りましょう。厭わしい者たちの腐臭で噎せ返るようだわ」
「そうだな、ヒュギエイア。これ以上は耐えられそうにない……」
「ヘヘヘヘ……」デスドレインは耳を掻いた。「こりゃ、たまらねえ……」
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