【ヴェルヴェット・ソニック】#10
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00101……0011……サロウのコトダマ・アカウントはオモイ・ニンジャの牽引によって紐のようにほつれ、手繰り寄せられつつあった。彼は遠く引き離されつつある銀の浜辺を感じ、オモイ・ニンジャの失望と罵倒のヴァイブスを感じた。力を注いで、甘い言葉をかけて、ネオサイタマまで連れてきて……。
(なんか……01001おかしくないか0100)サロウの残滓は電子的に瞬きした。(0101オモイ・ニンジャが狩人だ何だッてお膳立てして、俺がそれに乗っかった……頑張っただろ。あんなイカレた狩人連中と、俺はパーティープレイして、ユウジョウして。俺がいなきゃ狩りの呪いもかからなかった01001)
上方に黄金立方体の感覚。だがそこへサロウが近づく事はできない。彼の自我はオモイ・ニンジャに絡め取られているのだ。彼は感じる。見下ろす巨大な影たち。ダークカラテエンパイアの親玉達か。(00101そうだ。俺は……ダークカラテエンパイアだと?畜生め……俺が探していたのは……サツガイ00101)
牽引の力が強まった。引き寄せる力にはオモイの苛立ちが籠もっていた。『さっさとアタシの中に入りなよ、役立たず。サンズ・リバーを渡れるとでも思ってるのか、ニボシ? 違うよ、アンタの自我はアタシの一部になって、永遠に……』「あンたの一部だと?」『ハン?』「それ、逆でもいいのかな」
『何をバカな……』「大真面目だよ」サロウはオモイ・ニンジャを掴み返した。彼は眼前にいた……ト・キコの。ト・キコが訝しんだ。『ハ? さっきから、何?』「やっぱりだ。お前はお前であってお前じゃない。それなら、お前は俺でもいいはずだ」「やめ……」「イヤーッ!」「グワーッ!?」0100101001
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