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S4第2話【ケイジ・オブ・モータリティ】分割版 #8

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「「イヤーッ!」」クレッセントとガーランドは同時に跳躍し、上階で待ち構えるスモトリ状の培地人間に蹴りを食らわせた。「アバーッ!」「アババーッ!」精密な蹴りがスモトリの首の骨を砕き、あらぬ方向へへし曲げる。すると彼らの目鼻口から蝿が噴出する! わあんわあんわあんわあんわあん!

「イヤーッ!」ガーランドは後方にクナイ・ウィップを打ち振り、蝿をまとめてはたき殺しながら、さらに上階へ駆け上がる。「イイ……」「トテモイイ、ヒカッテル」スモトリ達がよたよたと降りてくる。まともに殺し合ったところで、蝿を無駄に増やすだけだ。「どけ! イヤーッ!」「アババーッ!」

「アッ!」つんのめるサイダ3の手を、クレッセントが掴んだ。「気をつけろ。お前が生命線だ」「スミマセン」「イヤーッ!」「アバーッ!」前方でスモトリを倒すガーランドは、ぐったりと動かぬインシネレイトを肩に担いでいる。クレッセントはそれを睨む。「ああされたいか」「自力で頑張ります!」

 既にクレッセントはアンタイ・ヨロシ・パルスの放射をアクティブにしている。それが功を奏してか、蝿は彼らにまとわりつくものの、躊躇うように飛び狂い、体内に侵入しようとしてくる事はまだない。だが、押し包まれればそうもいくまい。83階。84。85……。「アイエエエ!」サイダ3が悲鳴をあげた。

 彼が悲鳴を上げたのも無理はない。ガーランドは舌打ちし、クレッセントも身構えた。86階に上がる踊り場は土気色のぶよぶよしたものに塞がれている。「アバー」その一部が蠢き、顔らしき部分と手らしき部分を動かした。膨張した人体複数が煮こごりめいて押し固められたものが……!「「アバーッ!」」

 SPLAAASH! 肉壁が蠢き、蝿が飛び出す! 反射的にクレッセントはサイダ3を抱え、ガーランドとともに方向転換した。85階に突入する! わあんわあんわあんわあん! 蝿密度の濃さ! ニンジャ二人はともかく、サイダ3はガスマスクをしていなければ何度破滅していたかわからない。ファッションに救われた!

 わああん! わああああん!「別の階段は」「エレベータは……チッ」確かめるまでもなく、彼らの逃走経路に現れたエレベータは、繊維質の嫌ったらしいなにかで覆われ、塞がれていた。エレベータ扉にもたれかかるように動かない人間の蛋白質でできているようだった。「前へ!」サイダ3が叫んだ。

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