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S4第2話【ケイジ・オブ・モータリティ】分割版 #9

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「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは身を沈め、ベルゼブブに突進した。ベルゼブブは蝿の群れを前方に集中展開! わあああんわあああん!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは指を鈎状に曲げて蝿の壁を切り裂いた。群れを裂いた箇所から黒い火が広がり、虫のカーテンに穴を穿つ!「イヤーッ!」

 穿たれた穴の先、ベルゼブブの姿が再び見える。ニンジャスレイヤーの第二撃はヤリめいたサイドキック! ベルゼブブは下腕で蹴り足を挟み、捻じりあげた。「ぬるいぞ、モータル……」「イヤーッ!」捻られる力を利用し、ニンジャスレイヤーはキリモミ回転。逆の足でベルゼブブの側頭部を狙う!「イヤーッ!」

 ベルゼブブは上腕を用いてニンジャスレイヤーの蹴りをガードした。一瞬遅れて、渦を巻いた黒炎が蝿の群れを巻き込み、焼き殺していった。燃える渦の正体はマフラーめいた首布である。燃える腕で殴りつけるような、燃焼性のカラテである!「アイエエエ!」サイダ3が悲鳴をあげる!

「イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ!」ワン・インチ距離における短打戦が開始された。ニンジャスレイヤーはベルゼブブの四本腕のカラテに少しも怖じる事がない。本来ベルゼブブは攻防にニ倍の腕を用いる圧倒的優位を持つ筈である。この時点で彼女はガスメンポの下、忌々しげに眉根を寄せた。

「イヤーッ!」「イヤーッ!」ガガッ! 衝撃波がサーバールームを吹き抜け、サイダ3は壁に押し付けられて悲鳴をあげた。ニンジャスレイヤーの連打はベルゼブブの腕を外側へ弾き開いてゆく。わああああん! 脇腹から新たな繁殖蝿が噴出! ニンジャスレイヤーは押し戻され、タタミ3枚強制後退!

「モータル。身の程を知れ。王の力を前に足掻いたところで、知れたものよ」「モータル(死すべき定めの者)? 聞き慣れない言葉を使うやつだ」ニンジャスレイヤーは前傾姿勢をとった。「貴様らは自分が死なない側と決めつけ、狩人だ何だとほざくが」赤黒の装束に黒炎が走る。「……くだらないぞ」

「ウフハハハハハハ! その無知こそが増上慢よ!」ベルゼブブは哄笑した。「王の力、ドゥルジ・ニンジャの力をその身に刻んでくれよう! ブザマな "狩" の漢字の次にな!」わあああああああん! サーバールームに光る蝿が充満する!「アイエエエ!」サイダ3が泣き叫んだ。霞む視界に彼は神話闘争を見る。

 彼は必死に、生死不明のクレッセントに覆いかぶさった。蝿、そして黒炎。やり過ごすしかなかった。狂気のふちに立たされた彼のニューロンに、ザンキ・ギャングのハッカーとしてのシケた日々がソーマト・リコールした。緑の格子とタイピング、黄金立方体。テックの冒険の日々が突如、呪いの世界に。

 突如? 否……黄金立方体はいつからある? ネットワークはいつからある? コトダマ空間とはなんなのか? 深淵に覗き込まれたかのようなおぼつかぬ感覚が、極限状態のサイダ3を襲った。(((……ラダ……マスラダ!))) 耳慣れぬ声が混線した。極めて恐ろしい怨霊じみた思念だった。(((ヘルタツマキせよ!)))

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