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ニンジャスレイヤーTRPG組織ガイド:ニンジャ緩衝地帯「ニチョーム自治区とネオ・カブキチョ」

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これはニンジャスレイヤーTRPGのための拡張設定集です。邪悪なニンジャ組織に属したくないストリートニンジャのための拠点「ニチョーム自治区」と、その周辺にあるニンジャ緩衝地帯の設定や資料がまとめられています。原作時系列とは異なり、AoSキャンペイグン・セッティングと呼ばれる独自の時系列が採用されています。


ストリートニンジャでゲームを開始する

基本ルールブックのサンプルキャンペイグンでは、ソウカイヤ所属ニンジャとしてゲームを開始し、その後ソウカイヤを出奔してストリートニンジャとなるための道筋が示されていた。しかし実際には、ソウカイヤを経ずにストリートニンジャとなるキャラクターも多いだろう。

ここでは、サンプルキャンペイグンを経てストリートニンジャとなったばかりのPCたちに役立つ「ニチョーム・ストリート」の設定情報に加え、ある程度ゲームに慣れたプレイグループのために、初めからストリートニンジャのPCを作成してゲームを楽しむための拡張ガイドがまとめられている。


ストリートニンジャPC作成時のユウジョウ

PCを16ポイント以上でスクラッチビルドする場合、ストリートニンジャNPCの誰か1人(もしくは「ニチョーム自治会役員」や施設の「常駐者」としてリストアップされているNPCニンジャの誰か1人)と、ユウジョウ判定表の1段階目の親密度を得ていることにしても構わない。

PCを22〜28ポイント程度でスクラッチする場合は、NPC誰か1人と2段階、もしくはNPC誰か2人と1段階の親密度を得ていることにして構わない。それらの出会いがどんな経緯によるものだったかは、背景として自由に決められるが、事前にNMと一度話し合い、そのNPCを選んでもゲームの進行に問題ないかを確認しておくこと。


ストリートニンジャとは?

自由と信念のために組織を飛び出したニンジャたち。あるいは大組織に属することをよしとしないニンジャたち。様々なカルマや信条を持つ者がいるが、彼らをゲーム上まとめて「ストリートニンジャ」と呼ぶ。彼らは所属組織を持たない代わりに、いくつもの独立小組織や野良ニンジャと交流を持つ。基本的にソウカイヤ、アマクダリ、ザイバツ、暗黒メガコーポなどとは敵対関係にあるが、傭兵などとしてミッションに参加することもある。

常に使用できるカルマ・ロンダリング表:なし*

*【カルマ:善】ではない場合のみ、ニンジャ組織や暗黒メガコーポからのビズを傭兵として受けた場合、そのシナリオの終了時に、その組織のカルマ・ロンダリング表を使用できる。あるいは【DKK】5を『◉ニンジャソウルの闇』と交換できる。

装備などのアンロック制限:
暗黒メガコーポとのコネクションが断たれるため、最新鋭兵器へのアクセスが極めて困難となる。あらゆるサイバネの上限はLV2までとなる。

余暇の制限:【カルマ:善】のストリートニンジャは、モータルハントの代わりに『シノギ判定』のみを選択できる。【カルマ:善】ではないストリートニンジャは、『シノギ判定』かモータルハントかを選択できる。

能力の制限:
『◉忠誠心』を得られない。思いがけず『◉忠誠心』を得てしまった場合、ただちに余暇スロット1と【万札】10を消費してその『◉忠誠心』を消すこと。『◉忠誠心』を消せなかった場合、そのニンジャは【名声】を2失い、その所属組織のニンジャとなってしまう。

ユウジョウ判定の対象とできるキャラの例:ユカノ、フジキド、シルバーキー、エーリアス、イグナイト、ナンシー、ユンコ、シャドウウィーヴ、フィルギア、スーサイド、アナイアレイター、ルイナー、エルドリッチ、ジェノサイド、ヤモト、シルバーカラス、ネザークイーン、デッドムーン、ブラックヘイズ、フェイタル、ガンドー、シキベ、サワタリ、フロッグマン、ノトーリアス、ハイドラ、ディスターブド、セントール、ファーリーマン、カマイタチ、ディスカバリー、サイサムライ、デリヴァラー、エシオ、ノボセ、タフガイ、デッドエンド、スポイラー、ラッキー・ジェイク、タキ、ストライダー、イビルヤモトなど。個人的な友好関係にあるならば、ソウカイニンジャやエージェントニンジャも対象にできる。


◆ニチョームとネオ・カブキチョの基礎知識

「ニチョーム・ストリート」は、ネオサイタマ最大級のネオン歓楽街のひとつ「ネオ・カブキチョ」に隣接する歓楽エリアであり、様々なマイノリティたちが一時の安らぎを得るために集う。大量のマグロツェッペリンがビルの間を飛び交い、道路には爆音宣伝トレーラーがひしめくネオ・カブキチョ歓楽中心から比べると、未だ古い街並みが残るニチョームは奥ゆかしい裏通りめいた場所で、商業的・政治的重要性も低いと見られがちである。

しかしながら、ソウカイヤ、アマクダリ、ザイバツの三大ニンジャ組織がシノギを削る現在のネオサイタマにおいて、ニチョーム・ストリートとその周辺は貴著な「ニンジャ緩衝地帯」となっており、「不戦の掟」などの不文律も存在する。この隠された真実を知るのは、無論、電脳メガロシティの闇に生きるニンジャたちだけである。


ニチョームの守護者「ネザークイーン」

現在の状態を作り上げたのは「ニチョームの守護者」ことネザークイーンである。この街をあらゆるニンジャにとっての「ヘイヴン(安息所)」にすることが、ひいてはニチョームの人々の暮らしや文化を守ることにも繋がると考えた彼女は、危険な交渉やカラテを重ねた末、約一年ほど前にようやくこのニンジャ自治区を確立したのである。

ネザークイーンの現在の仕事は、極めてタフなものだ。各組織のエージェントと対等に渡り合い、またしばしばやってくる無法者ニンジャにカラテで話をつけながら、ニチョームの独立を守り続けなければならないからだ。

しかもこれは、彼女の政治力や交渉力だけで成し遂げられたものではない。ニチョームのニンジャ戦力などたかが知れており、三大ニンジャ組織から見れば赤子の手をひねるようなものだ。それなのに彼らがニチョーム自治区の存在を認めているのは、単純にこのような状態が、現在の各ニンジャ組織から見て最も「都合が良い」と映っているからだ。

ニチョームの平和は危ういバランスの上に成り立っており、いつ何時、均衡が崩れてもおかしくはない。三大ニンジャ組織のいずれかが覇権を握れば、ニチョームの独立権は奪われ、そのニンジャ組織への服従を余儀なくされるだろう。


不戦の掟

この夜の街で不意に遭遇したニンジャ同士は、たとえ相手が敵対組織に属するものであっても、その場を穏便に納めなければならない。ここは奥ゆかしいモータルと奥ゆかしいニンジャのための街であり、ニンジャ抗争がそれを脅かしてはならないのだ。

このエリア(ニチョームおよび隣接するネオ・カブキチョの一部)では現在、ニンジャ同士の戦闘は固く禁じられている。ここではニンジャ同士のイクサは無論、大組織同士の抗争に繋がりかねない小競り合いや挑発行為すらも厳しい警告の対象となっており、複数回の警告を受けた者は、ネザークイーンから追放(バン)が言い渡される。

ニチョーム自治会のニンジャが、暴れている無法ニンジャや侵略ニンジャなどを調査したり排除しようとしている場合などは当然「不戦の掟」の例外であるが、このような場合ですらも、まずは可能な限り警告のみで済ますべきだとネザークイーンは考えている。

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