2020年10月に「第3回逆噴射小説大賞」を開催します
“おれがこれから始めようとしているのは、予測変換やAIの力が及ばない世界、つまり血肉が通ったほんもののPULPだ。嘘まみれの砂の上にいっしゅんで築かれた業者RTの城ではなく、乾いたレンガをいっこずつ積み重ねて作った確かなモーテルだ。危険な銃弾飛び交うMEXICOの地でそうしたモーテルに逃げ込み、ぬるいビールを飲み、パルプを開いて味わう一時のやすらぎ。・・・・これは時代の主流におもねらず、つねに真の面白さだけを求める、そんなお前のために書かれた記事だ。”
- 逆噴射聡一郎 「パルプ小説の書き方1:一人称でやれ」より
この大賞イベントを主催する ダイハードテイルズ/Diehard Tales は、1999年に誕生した、電子的なパルプノベル・マガジンです。オンライン上での小説作品発表とマネタイズ、そして読者との相互関係と社会に及ぼす影響について常に考え続け、新分野の開拓へも勇敢に挑戦してきました。そのアティチュードの根底には、社会派コラムニストである逆噴射聡一郎先生の挑戦的なスピリットと、CORONAのようなエネルギーがあります。
逆噴射小説大賞とは、ダイハードテイルズ出版局が主催し、社会派コラムニストの逆噴射聡一郎先生が審査員に加わる、コンテンポラリーで由緒あるパルプ小説大賞です。第1回と第2回の最終選考作品群をぜひ一読してみてください。
今回の本文文字制限は、800文字以内です。しかしこれは「800文字以内で物語を完結すること」という意味ではなく「小説の冒頭部800文字で応募する」という意味です。つまり「この続きを読みたいと思わせる、最もエキサイティングなパルプ小説の冒頭800文字」を表現した作品が大賞を受賞し、その応募者は大賞の栄誉とともにCORONAビールを獲得できます。
◆募集要項◆
本人の応募資格:特になし。プロアマ問わず。
参加費:無料。
テーマ:投稿時点で未発表のパルプ小説作品であること。
応募可能数:1人最大5点まで応募可能。
応募受付期間:2020年10月8日の00:00から10月31日の23:59まで(10月1日から7日は応募要項についての質問受付期間となり、必要に応じてこの「募集要項」が明確化されたりFAQが追加されます)
応募方法:note上で下記フォーマットの記事を作成し、収集漏れを防ぐためにTwitter上でシェアツイートを行ってください。Twitter上でシェアツイートを行う際は「#逆噴射小説大賞2020」を追加してください。また、ツイート内にコメントを付与しても構いません。
結果発表など:選考が進むたびにnote上でアナウンスされていきます。例年12月に最終結果発表が行われますので、今年もその辺りを目処にしています。
フォーマット:noteの「テキスト」記事で、800文字以内の小説冒頭を書き上げ、noteタグとして「#逆噴射小説大賞2020」を必ず入れて投稿してください。一人称である必要や登場人物が死ぬ必要は特にありません。この際、800文字で完結するのではなく、あくまでも「より長い小説作品の冒頭800文字」の体裁でなければなりません。記事タイトルにはその作品の題名のみを入れ、本文末尾には必ず【続く】かそれに類する文言を入れてください(題名と【続く】部分は800文字に含まれません)。その他のnoteタグ、例えば「#小説」や「#SF」などを入れることは自由です。
禁止事項など:現実世界の差別や誹謗中傷などを助長するものや、他者の権利を侵害するもの、その他常識的に考えてアウトなものは、いずれも選考対象となりません。エンタテイメントの範疇に収まっている必要があります。noteプラットフォーム自体の禁止事項も参照してください。
応募された作品はタグ検索され、専用のマガジンに収集されていきます。
審査基準と結果発表について
現代的な情報の圧縮とインパクトだけでなく、伝統的な小説としてのテンポや読み易さ、そして何よりも「面白さ」が、最も重要な審査基準となります。本文だけでなく、タイトルも審査基準となります(ヘッダー画像の良し悪しは今回の審査基準には含まれません)。「この続きを読みたいと思わせる、最もエキサイティングなパルプ小説の冒頭800文字」が、大賞を受賞します。
審査については、逆噴射聡一郎先生とダイハードテイルズ局員がこれにあたります。選評などが付された結果発表記事は年内に公開されます(結果発表記事は、通常記事同様、一定期間後に有料マガジンにアーカイブされます)。応募された作品、および大賞作品の著作権や版権について、特にダイハードテイルズ社は所有しませんので、あなたはその後いつでもその続きを書き上げて自由に発表したりマネタイズしたりすることができます。
大賞を取ればこのようなCORONAも思いのままだ
これはパルプなの?
募集要項にもなっている「パルプ小説作品」とは何か、ということについて、特に定義や説明はしません。現代的な、広義のパルプ小説を求めています。あなたが「これはパルプだ」と思えばパルプなので、あまり気にせずに投稿してみてください。ダイハードテイルズの刊行物や、逆噴射聡一郎先生の「パルプ小説の書き方」を読めば、おおよそのイメージが掴めると思います。しかしこの枠に縛られず、あなたが考える現代的なパルプ小説作品を応募してください。サブジャンルとしてSF、ファンタジー、クライムサスペンス、ミステリー、時代物、動物、ホラー、冒険、などなど、どんな要素がミクスチャーされていても構いません。毎日のプラクティスのつもりで気軽に応募できます。
CORONA……!
大賞受賞者には、逆噴射聡一郎先生より真の男のためのMEXICO産飲料であるCORONAビール1カートン(24本入り)もしくはクーラーBOXつき12本入りが郵送進呈されます(選択可能、下は参考画像)。逆噴射聡一郎先生の判断により、1名を決定できない場合は、6本入りケースを複数名で分け合う場合があります。
なお、受賞者が未成年者またはアルコールを希望しない場合、CORONA1カートンと同額のドリトス(輸入品)が進呈されます。
FAQ
🆕Q:小説作品であることがわかりやすいように、記事タイトルを「」や【】などの任意の記号でくくったりしても問題ないですか?
A:問題ありません。
Q:タグは本文文字数にカウントしますか?
A:しません。
Q:空白と改行は文字としてカウントされますか?
A:空白、改行、どちらもカウントしません(レギュレーション違反になってしまう作品ができるだけ少ない安全な方に倒していきます)。
Q:例えば桃太郎のような誰でも知っているレベルの寓話をベースに、原型が微かにあるくらいに改変した作品というのは有りですか?
A:特に問題ありません。
Q:要綱に未発表のオリジナル作品とありますが、発表済オリジナル作品のリメイク・続編などは応募対象となり得るでしょうか?
A:なるべくゼロからの新作が望ましいですが、セルフリメイクは可です。また例えば応募者本人が連載中の既存シリーズの最新話的なものは、どうしてもシリーズ全体が意識される可能性があり、賞の趣旨とずれるので、ご遠慮ください。世界観などが共通している場合、単品作品に見えるよう工夫してください。
Q:第1回の大賞に参加した者ですが、文字制限(400文字以内→800文字以内)と応募作品数制限(1人1日1点まで→1人最大5点まで)が設けられたのは何故ですか?
A:応募総数が1900点を超えたため、審査で死にそうになったからです。
Q:たとえば「◆◆◆」や「----------」など、場面転換を表現するような文字は文字数に数えるのでしょうか。また空白とはいつも使うスペースの認識でよろしいですか。
A:作中で文字で何かを表現した場合、それは全て文字数にカウントされます。例外は、レギュレーションに書かれた通り「題名」と「【続く】部分」のみです。また、文字数にカウントされない空白とは、各種改行コードによる空白や、半角全角のスペースなどを全て含みます。
Q:画像、イラスト、写真などを記事内に配置してもいいのですか?
A:かまいませんが、それらの画像要素は全て審査時に無視されます。
Q:5点までの応募とのことですが、期間内で一度応募した作品を別のものに差し替えるといったことは可能でしょうか。あるいは、期間中に6点以上応募し、評判を見てから最終的に5点以下に絞るというやり方は不可という解釈で良いでしょうか。
A:タグをつけて投稿した時点で応募とみなされます。応募された投稿はどんどん応募作収集マガジンに収録されていきます。つまり、1人5本までしか投稿できません。タグをつけたり消したり、投稿を出したり引っ込めたりして最終的に5本に帳尻を合わせるやり方はNGです。
TIPS - 選考を突破したい時に読むもの
下記は、これまでの最終結果発表の際に記されたコメントを再編集したり、新たに書き加えたものです。必要であれば参考にしてください。
このTIPSは主に「今年は選考突破を狙いたいな」「なぜ前回の作品は選考に残らなかったのだろう?」と思っている方向けです。「オッ! 800文字でコンテスト? 面白そうなことやってるな! 俺もちょっと書いてみよ!」といったパルプ初期衝動的な心で参加したい方は、ここを熟読する必要は特にありませんので、とっとと作品を書き始めてください。
タイトルは大事:あまり奇をてらい過ぎず、なおかつ内容に興味を持たせる過不足ないタイトルが理想的だ。究極をいうと「そのタイトルで書店に並べられるか?」という緊張感を持つ必要がある。タイトルは作品の看板であり、もっというと、並んだ選考通過作品のタイトル群は今回の逆噴射小説大賞の看板でもあるから、選考する側も慎重に吟味する。
きれいにまとめすぎない:今回のコンテストは冒頭800字を書くもので、全800字の小説を書くコンテストではないことに注意しよう。つまりショートショート大賞ではないので、起承転結が全て書かれオチがついてしまっている作品や、巧みなひねりや少作品としてのまとまりよりも、「続きの読みたさ」が重視される。
話を動かせ:「狩りの準備をして終わり」「宇宙船やロボットが発進して終わり」「依頼人が仕事人のところに依頼を持ってきて終わり」というように、準備や依頼で話が終わってしまう作品は魅力が伝わって来ず、選考を通過できない可能性が高い。
ルサンチマンにとらわれ過ぎない:世の中や他人をクソだと感じる怒りのパワーは、時として創作のエネルギー源にもなるが、その発露の方法には注意が必要だ。過剰な暴力表現やゴア、攻撃性、憎悪の表現は、ときとしてアッパーなハイテンションを得らたり、作品に緊張感をもたらす場合もあるが、意識して手綱を握っておかないと、単なる露悪や悪趣味、ニヒリズムに終わってしまう危険がつねにある。陰湿であったり読者を嫌がらせるだけの内容では、エンタテインメントできない。この観点は重要だ。
R・E・A・Lさ:これに関しては、パルプ小説講座13章に詳しい。
文章力:R・E・A・Lを文章に落とし込むには文の質感が要求される。それを裏付けるのは文章力そのものである。基礎的な文章力の確かさは、書き手の夢、瞬発力、勢いのパワーを読者に届けるための重要なレールである。文章力がおぼつかないと、情熱は届ける途中でボロボロと空中分解し、スポイルされてしまう。主語述語、てにをは、そういった基礎文章力は、(後から敢えて崩すとしても)一度は真剣に向き合う必要が絶対にある。適切に崩すためには、まず相応の文章力が必要なのだ。Practise Everyday.....
いちいちショックを受けるな:逆噴射小説大賞はCORONAという黄金を奪い合う「コンテスト」である為、選ばれる者・選ばれない者が選考の度に発生する。AIによる選考ではないので万人が納得するスコアを提示できるものではないし、運が絡む事もある。これは、そういうものである。上位通過者には選評が書かれるが、それが一方的な絶賛・全肯定となる事はあまりない。選評は友達からの忖度ある感想ではなく、PROからの今後の期待を込めたフィードバックとなる。選考に落ちてマイナスの影響を受けクヨクヨ気にする人、フィードバックをネガティブに捉えて落ち込む人、あくまで絶賛・全肯定されないと傷ついてしまうタイプの人は、NOT FOR YOUなので応募してはならない。落選を過度に引きずったり、他の参加者や選考者を恨んだり、「この賞を取れなかったらきっぱり筆を折る」のような依存的な精神状態で応募する行為は、各方面の迷惑となるので、参加自体を見合わせてほしい。ここは最終的に99%が脱落する過酷な荒野であるので、落ちても別に気にせず、「俺の作品を選ばないとは、逆噴射聡一郎もヤキが回ったもんだぜ!」程度に笑い飛ばすこと。応募の際にはこれらの心構えが肝要である。
常識的に考える:フィクションでPULPと銘打てば何でも好き勝手やっていいというわけではない。人種差別や、現実の特定個人の攻撃や誹謗中傷を目的としたものなどは応募してはならない。そうしたものは選考に通らないばかりか、単純に迷惑なので、応募作として受け付けられなかったり、然るべき措置が取られることもある。常識的に判断すること。常識とは何なのか不安が残る場合は、小説なんか書いていないで、家族や隣人たちとの話し合いの時間を持つこと。CORONAなどを飲むと会話も弾むだろう。
内輪ウケを狙うな:実際に小説家としてデビューしたり、出版社新人賞などで賞を勝ち取ろうと思うならば、純粋に作品内の文章だけで面白さを伝える必要がある。審査員は身内などではなく、彼らとの間で空気感や内輪ネタなどを共有できるという甘えは一切許されない。ダイハードテイルズ出版局の選考委員も、応募作を読む大勢のnote読者も、そのほとんどが貴方の知り合いでもなんでもない事を認識しなくてはならない。応募者同士での褒め合いや傾向対策の学習などを始めればたちまち個人間の気遣いや忖度の場となり、自己の評価軸にバイアスが生じ、クリエイティビティの刃は鈍って共倒れの危険も発生する。ジャンル作品とは確かに「文脈」という名の大きな内輪ウケの要素を持っているものではあるが、狭い仲間内での流行や一時的な内輪ネタを過剰にフィーチャーした作品は特有の雰囲気を持っており、ひと目でわかる。そういったものは単純にエンタテイメント作品としてエキサイティングではないし、また賞そのもののブランド維持の観点からも、真っ先に選考から弾かれるだろう。
応募作はその後、発展させられるか?:この小説大賞は単に小説の書き出しを競うものである。そこでそのまま活動を終わらせれば、最終選考まで行こうと、優勝しようと、800字の一瞬の体験どまりだ。結局のところ真の勝者とは、その後、作品を書き続け、完成させ、読者を得た者である。この賞への応募を通して、各自の創作活動、ひいては人生の向上に役立てる事が何より重要である。それがコンテンツとして大成するのは来週かもしれないし、十年後かもしれないが、ここで練り上げて発表したアイディアは、いつか必ずあなたの役に立つはずだ。
募集要項などの質問や収集漏れ、あるいは問題の報告などについてはTwitterの @dhtls までお願いします。
(ダイハードテイルズ編集部)
これらのイベントは、ダイハードテイルズによる自主運営イベントであり、KADOKAWA社、ピースオブケイク社(note)、Twitter社、CORONA社などの提供・協賛によるものではありません。また、このイベントのために各賞受賞者から申告を受ける個人情報は、発送のための連絡、および賞品発送のためにのみ利用されます。
逆噴射聡一郎先生のコラムアーカイブを読みたい方は、まずこちらのマガジンをどうぞ。「パルプ小説の書き方」の専用マガジンもできました。
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