【プラグ・ザ・デモンズハート】#10
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「イエエエエエエエイ! イエエエエエエイ!」
操車基地メガクルマ敷地内を走り回る装甲バギーの中、ジャッキーは興奮して叫びながら腕を振り回し、後部シートの上で跳ねた。
「フー! フー! フー!」
「アイエエエエ!」
車体のすぐ横の地面を薙ぎ払った機銃掃射に悲鳴を上げ、運転席でせわしなくハンドルを操作するのはコンノである。ドズン! バギーが大きく揺れると、ジャッキーはますますテンションを上げた。
「イエエエエエエエイ!」
「ジャッキー! 黙っとれ! 遊びじゃないぞ!」
アンクル・ソノがバギーの砲座から見下ろし、叱りつける。ジャッキーは不敵にVサインで応えた。
「遊びじゃないよ! オムラのファッキング野郎をやっつけろ!」
「コラッ! 汚い言葉はダメだ」「ペナルティ瓶が無いからいいんだもん」
ジャッキーの隣ではリー先生が食いしばった歯の隙間から泡を吹き、ラップトップUNIXデッキを高速タイピングしている。
「なかなか流動的な事態だねェ!」
UNIXモニタはブルーブラッドからの通信途絶を伝えてくる。そして異常な検出値を。モーターエビの中で何かが起きている。リー先生は再計測を急いだ。
ギャルルルル! バギーが旋回する。アンクル・ソノは泡を食ってGに耐えた。「ファック・オフ!」砲座を回転させ、向かってくるオムラパワード武者鎧アシガル社員の騎馬集団に狙いをつけた。BRRRRRRTTTTT!
「グワーッ!」「アバーッ!」
蹴散らされるサイバー馬と黒い鎧の群れ!
「イヤーッ!」
イグナイトがバイクをウイリージャンプさせて武装バギーを飛び越し、更に襲い来た四脚ロボニンジャのモーターカブトの頭部に前輪をめり込ませた。
「オッ死ね!」「ピガーッ!」
ギャルルルルル! 車輪がカトン・ファイアを噴き上げ、回転数を上げて、オムラニウム製の頭部装甲を破壊、人工知能を焼き溶かした!
「ピガガガガーッ!」
崩れ落ちるモーターカブトの横を通り過ぎるヒュージシュリケンとタイラシン!
「テメェ、足手まといになるんじゃねえぞ」
競うように加速しながらヒュージシュリケンが呼びかけると、タイラシンはみるみるうちにタスマニアタイガー獣人にヘンゲした。
「WRRRR……調子に乗るな。俺はお前の二倍は敵を倒せるぞ。ジェット・ゾクの誇りたるものを見せてくれるわ!」
「アーッ? なら、やってみろや!」
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