ニンジャスレイヤー2018エピソード投票:結果発表!
オハヨ! あなたはニンジャが好き? 私はとても好き!!!! 今日は2018-2019の年末年始にかけて開催された、ニンジャスレイヤーのエピソード投票結果発表を行います。たくさんの投票とコメントありがとうございました! それでは早速第10位から発表していきましょう!
第10位◆【エグゼクティブ・スプレンダー】
◆あらすじ◆ヨロシサン・インターナショナルのエグゼクティブ、ヨロシ・サトルはニンジャ「サブジュゲイター」である。このエピソードでは、彼の自信に満ち溢れたCEO生活を体験してゆく!
原作者コメント:ボンド=サン:サブジュゲイターを通してAOM時代におけるヨロシサン製薬の存在の変化を説明してみるのは面白いと考えた。サブジュゲイターは常に明るいし、自信満々で、何をやらせても面白い。今の彼の存在は悪なのか善なのかもよくわからないし、本人も、モラルについてくよくよ悩む事はない。おまじないの言葉のようにコンプライアンス、コンプライアンスと繰り返し、世界中を飛び回り、ビジネスする。彼が人生を謳歌している事は間違いない。そして、それでいいのだ。
第9位◇AoM:S2第6話【カウンシル・フジミ】
◆あらすじ◆今や熱く再起し、打倒シンウインターを誓ったスーサイドの元に、ニンジャスレイヤー、サツバツナイトらが集まる。どこかよそよそしいアトモスフィアのもとで会議は進む。そこに現れた招かれざる客は、クローザー、そして……シンウインターだ!
原作者コメント:ボンド=サン:前半の<筋>の会合で連想していたのは、指輪物語の裂け谷のエルロンドの館での会合だ。会議シーンが好きなんだ。さいわい、この場の会合ではあそこまでギスギスした関係の人間はいなかったので、平和にピザを食べる事ができたね。シンウインターはヘリで直接やってくる。大ボスが直接来るシチュエーションは今までありそうでなかった。大ボスにはヘリの登場が似合うものだね。そして聖なるヌンチャクの活躍だ。僕は第2部キョート・ヘル・オン・アースにおけるダークドメインとの闘いを思い出して胸が熱かった。
第8位◆【デッド! デダー・ザン・デッド!】
◆あらすじ◆危険ドラッグ「ピュア・オハギ」を蔓延させる邪悪なニンジャを追ったヤモト・コキの探索は、思いがけず、ゾンビーニンジャにまつわる巨大な陰謀に繋がってゆく。ヤモト、ジェノサイド、デッドムーン、ブルーブラッド……。トリロジー終了後の過渡期のネオサイタマで、ゾンビー大戦が勃発する!
原作者コメント:ボンド=サン:コンセプトはシンプルだ。とにかくヤモトとジェノサイドに大活躍してほしかった。ブッ飛んだ敵を相手に、ブッ飛んだイクサをさせようと思った。空飛ぶ武装霊柩車、常識はずれの肉体をもったゾンビーニンジャ達、そしてフジサン、シ・ニンジャの超自然力……勢いのあるものを全部投げ込んで、賑やかなものにしたかった。このエピソードの時系列はAOMよりもトリロジー終了時のほうが時間的に近い。このときフジキドとイグナイトは暗黒メガコーポの侵略に抗う自警団組織に力を貸しているようだね。
第7位◇AoM:S2第8話【ドラゴン・インストラクション】
◆あらすじ◆インストラクション・ワン、フーリンカザン、そして……ニンジャソウルを御するとは何なのか!ワイズマンとの熾烈を極めるイクサを通して、マスラダのみならずフジキドもまた成長しなければならない!
原作者コメント:ボンド=サン:これまで別々に行動してきたマスラダとフジキドが、はじめてじっくりとコミュニケーションを取り、共に戦ったエピソードだ。AOMのフジキドは思慮深さと探偵としての使命感があり、トリロジー時代の彼に年輪が一回り加わったような、一段階成長したパーソナリティの持ち主だ。そんな彼がマスラダ・カイという若者に対してはどうしてもぎこちなくなってしまう。一方、マスラダは説教臭くされれば当然鬱陶しがるが、無碍にフジキドを拒絶するわけでもないんだ。そのあたりの呼吸を見守ってみてね。
第6位◆【ガイオン・エクリプス】
◆あらすじ◆舞台は2047年前後のキョート共和国。ガンドー探偵事務所の元助手であったシキベ・タカコは、最新型のオイランドロイドボディにバイオニューロンチップを埋め込まれた状態で、突如この時代に生き返った。だがそこにタカギ・ガンドーの姿はない。果たして誰が彼女を蘇らせたのか? タカギ・ガンドーはどこへ消えたのか?
原作者コメント:モーゼズ=サン:第4部AoMは混沌の時代だ。それは弱肉強食の無慈悲な時代であるとともに、無限の可能性が示される解放の時代でもある。だからトリロジー時代では物語上の「枷」によって実現されなかった、もしくは実現されているが描かれたりフォーカスされることはあまりなかった、テクノロジーやコトダマ空間神秘の「陽」の側面と、そこからくる冒険の物語も描くことができるようになったんだ。それは例えばウキヨやバイオニューロンチップ再生者たちだ。物語構造を図示するなら、第1部は直線、第2部は螺旋的な二本の直線、第3部は無数の点への散らばりと収束、そして爆発だ。こうして無数の物語を描くための素地が完成した。フジキドのおかげでね。彼はそれを認識していないだろうけれども。最後に、コヨミ・ウサギは興味深いものを見ているね。これがどのようにAoM本編につながってゆくのかは、ひとまず、読者の皆さんの想像にお任せしたい。
第5位◆【ドラゴン・ドージョー・リライズ:奮闘編】
◆あらすじ◆「レッツ・ドラゴン!」ドージョーの運営に四苦八苦するユカノのもとに現れたマネージャー、アマ・ユズムラ。辣腕プロモーションが徐々にユカノのコントロールを離れ、際限なく拡大してゆく中、フジキド・ケンジはドージョー破りのニンジャ、ベンガルタイガーのセコンドとなって戻って来るのだった!
原作者コメント:ボンド=サン:ユカノの奮闘記シリーズは大好きだ。このエピソードのテーマも興味深いものになったと思う。AOM時代のハイ・テックの中でドージョー運営にリアルニンジャが四苦八苦するのはとてもエキサイティングだし、現代の我々が抱える切実な問題にも実際リンクしていると思う。組織が大きくなるにしたがって、いろんな人間が近づいてくる。そのどれが正しいかもわからない。真実とはなにか。とにかくやっていく事だ。未来を切り拓くのはカラテだ。
第4位◆【ネオサイタマ・アウトロウズ:ノー・ワン・ゼア】
◆あらすじ◆幼い息子の将来のためにソウカイ・シンジケートを抜け、カタギの道に戻ろうとしたヤクザ者。貧しくも穏やかな日々を送っていた男の家を、ソウカイヤのエージェントが訪れる。第1部時系列の中で描かれる、完璧なモノクロームのサツバツ・ノワール短編。
原作者コメント:モーゼズ=サン:ずっと前から構想はあり、結末部分の解決策だけが決まらずに、プロットノートに残してあった作品なんだ。数年間くらい、そのまま置いておいた。でも頭の片隅にずっと残り、思い出すたび、いつも落ち着かない気分にさせられた。ようやくまとめることができて、良かったよ。
第3位◆◇【フォ・フーム・ザ・ベル・トールズ】
◆あらすじ◆サイバネ手術代が払えなかった女子高生テマリは、荒野の女子高生収容所へと運ばれてしまう。過酷な太陽! セーラー服姿で労働する数百名の女子高生! 脱出不能! ニンジャのレーザーで原子分解消滅する脱走女子高生! テマリが絶望しかけたその時、謎の女子高生ニンジャが彼女の前に現れた……!
原作者コメント:モーゼズ=サン:久しぶりに書いた実験的性質の強い作品だったけど、それと同時にこの作品がニンジャスレイヤーの一部でもあるために、そこにはちゃんと人間同士のドラマを込めたんだ。この題材じゃないと描けないものをね。もしかすると、そこも日本の読者のみなさんに評価してもらえたのかもしれない。嬉しいね。しかしこれで女子高生性に対する僕たちの探求が終わったわけではない。日本文化における女子高生性への謎めいた信仰はつねに新たなポップカルチャーを生み出し続け、僕らを驚かせ続けているからね。
🍣第1位🍣◆【クルセイド・ワラキア】
◆あらすじ◆ブラド・ツェペシュの正体はニンジャであった! 歴史の闇に葬られしニンジャ真実の一端がついに明かされる! フジキドは聖なるヌンチャクをブラドの手から取り戻せるか? ネオワラキアの地に攻め寄せる論理十字軍! 財宝を求め死に物狂いで戦う傭兵部隊! 聖なるヌンチャクを巡り、ついにサツバツナイトとブラド・ツェペシュのカラテが激突する!
原作者コメント:モーゼズ=サン:AoMの舞台となる世界がいかなるものか。国家が崩壊して暗黒メガコーポの時代が訪れ、さらにそこに過去の偉大なる君主や神々(しかもその正体はニンジャ)が復活した時、どのようなコンフリクトやダイナミズミが生まれるのか。フジキド・ケンジはそこでどのような役割を果たすべきなのか。そういった疑問を全て投げ込み、僕の大好きなモダン吸血鬼ものとミリタリーSFとニンジャと古典的な怪奇幻想のエッセンスをすべてミキサーにかけた。その結果出来上がったのは、ネオン・ゴシックとでも呼ぶべき近未来の吸血鬼ニンジャアクション小説だったんだ。レッドドラゴンは今後もAoMの中に登場するけど、もしかすると、ネオワラキアを舞台にしたスピンオフも書けるかもしれない。すごく複雑なプロットなので、書く前は不安だったけれど、フジキドのAoM本編合流前に無事書き上げることができ、またこのエピソードが高い人気を獲得できて、とても嬉しいよ。ありがとう。
🍣第1位🍣◇AoM第2シーズン最終話【アルター・オブ・マッポーカリプス】
◆あらすじ◆シトカの空に黒いトリイが連なり、大いなる禁忌が現出しようとしていた。マスラダ・カイは歪んだ記憶を焼き払い、真実の中に踏み入る。
原作者コメント:ボンド=サン:シーズン2の締めくくりとなる最終エピソードだから、とにかく必死で書いた。旧三部作でも、AOMでも、章の最終エピソードは凄まじい大仕事で、最中の記憶はぼんやりしている。極限の状況下で、マスラダ・カイという人間は大地を踏みしめて、拳をかためた。過去と向き合った時、彼の前に残ったものは、ただ現在と未来だ。彼はニンジャスレイヤーとしての力をふるい、理不尽によって理不尽を、カラテによって悲劇を叩き潰す。力強く、若い力だ。僕はそこに可能性と鮮やかなエネルギーを見る。書き終えた時、僕は心底消耗するとともに達成感を覚えたが、やりきったという気持ちよりもむしろ、マスラダ・カイとフジキド・ケンジの今後のイクサ、開かれた混沌の世界に対する興奮を新たにした。シーズン3が心底楽しみだ!
未来へ
以上で今回のエピソード投票結果発表を終わります。今回も集計はデータマン(I.Q.220)による電子的プログラミングです。ボンド=サンとモーゼズ=サンのそれぞれによって書かれた2018年の目玉エピソードふたつが同着1位、というこの劇的な結果を見たとき、翻訳アジトはまず大いに湧きました。直後「エッでも本当に同数1位なの?」という出来過ぎ感へのシンプルな疑いが一瞬データマンに対して持たれましたが、「確かめ算みたいなのはやめよう・・・人間はいつも間違いおかす・・・・だからもしちょっとぐらい違ってもいいじゃない・・・だってホリデーなんだからね・・・!!」というおおらかな気持ちになり、みんなでケーキを食べビールを飲みました。
もちろんランクインしなかったエピソードも全て凄く、本当に面白いので、未読のものがあればぜひ読んでみてください! このように2018年もたくさんの素晴らしいエピソードが生み出されたこと、そしてそれは全て我々の活動をサポートしてくれているニンジャヘッズの皆さんのおかげであることに、改めて大きな感謝とスシをこめて……未来へ……21世紀へ……そしてサイバーパンクの年2020へ向かっていきます! それではシーズン3プレシーズンエピソードの連載開始をお楽しみに! そして、その前に予定されているPLUS限定エピソードの特別Twitter放送についてもお楽しみに!
(ニンジャスレイヤー翻訳チーム)