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各セクションへのリンク ◆総合目次 ◆ガイド ◇1 ◇2 ◇3 ◇4 ◇5 ◇6 ◇7 ◇8 ◇9 ◇10 “両軍が大河を挟み膠着状態に入った時のこと。ウサギ・ニンジャは河に群生していたワニの背を飛び渡り、対岸の敵に対して弓矢の雨を浴びせた。赤い滅びの矢は敵軍のニンジャを次々に射抜き爆発四散せしめるも、突如、敵のサメ・ニンジャが河の中から鋭角に飛び出し、無慈悲なるカラテによって彼女を切り裂き撃墜したのだ。やがてイクサが終わり、死屍累々たる川岸に瀕死の状態で残されたウサギ・
ゴウゴウと唸る風。そして灰色の波。今にも転覆しそうな小舟に乗っているのは三人。胡麻塩頭の船頭はしかめ面で計器類を睨み、油断ない操舵を行う。そして甲板に出て、前方に注意を向けている二人は……ニンジャである。一人はソフト帽を被り、ハーネスを身に着け、アンティークな革と真鍮のメンポを装備した男、ゲンジ・クロサワ。もう一人は謎めいた黒いサングラスを装着し、上品に髭を刈りそろえた初老の男、ウミノ・スドである。 「さあ! さあもうすぐ見えて来るぞ!」 ウミノはステッキで甲板を打ち