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ニンジャスレイヤー2017エピソード投票結果発表

今年もニンジャスレイヤー・エピソード投票にたくさんの参加ありがとうございました! 今回の開催期間や投票方法、およびノミネート作品など詳細はこちらの記事をチェックしてみてください。

繰り返しますが、このイベントの主旨は「どれが一番優れたエピソードか」を決めるものではなく、エピソード投票にかこつけて一年を振り返り、好きなエピソードの感想などを共有してジャンボリーしようというものです。今年も投票だけでなく、多くの感想をいただくことができ、翻訳チーム一同とても喜んでいます。また、こうしたイベントを通して、ニンジャスレイヤーという素晴らしい小説に興味を持ち、新たな読者となってくれる人が増えてくれることを願っています。

それではさっそく、上位10エピソードの発表を開始したいと思います。


◆上位10エピソードの発表と原作者ショートコメント◆


1位:プレ・シーズン2【エリミネイト・アナイアレイター】

B:「旧三部作からAOMには10年の時間を挟んでいる。かつて気ままにくらしてきた若者たちの環境の変化を追うことで、この決して短くない時間の経過を表現したかった。彼らが10年経っても変わらず廃ビルの屋上で同じ生活を続けている事などありえない。当然、チームも移り変わる。それは決してネガティブな話ではない。現在のスーサイドは現在のタフな問題を抱えている。それはかつての仲間達が颯爽と現れれば解決できる類のものではない。それぞれの人生は分岐しているからだ。しかし、この一時の懐かしいチームアップの事実そのものが、灯台のように彼の道を照らす事もあるかもしれない。そのように、人生は続く」


2位:【ザ・グロウ:オリジン・オブ・レッドハッグ】(PLUS)

B:「ニンジャソウル憑依とはどういう事なのか……特にそれによって得られる能力強化、その解放感、問題解決、そういうものに焦点をあてた。ニンジャになることで人生が狂っていくケースは本編でも数多く描かれてきた。だが、レッドハッグのオリジン・エピソードでは違った角度から光を当ててみたかった。つまり、人生が狂ってゆく状況において、ニンジャは打開する力になりうるか、という問いだ。そして、ニンジャになり、問題解決の能力を得られたからといって、零れ落ちてゆくものを救いきれるとは限らない。そういうことに思いをはせた」


3位:【ドラゴン・ドージョー・リライズ】(PLUS)

B:「リアルニンジャはドージョーを通してミームを継承する。リアルニンジャが台頭するAOM時代において、それは実際どういう事なのかを考える時が来た。特に、ユカノやフジキドがどんな暮らしをしていたか、僕はとても気になったので、会いに行こうと考えた。ドージョーを運営しようと悪戦苦闘し、門下生が集まってくるさまは、カンフー・ムービーの影響もなかなかありそうだ」


4位:プレ・シーズン2【ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル】

M:「サヴァイヴァー・ドージョーの第1部から第3部までの戦い、そしてフォレスト・サワタリの決断は、結果的にひとつの大きな勝利をもたらしたと言えるだろうね。エイジ・オブ・マッポーカリプスは力と混沌の時代で、暗黒メガコーポやリアルニンジャたちが、この世界を分割し支配しているんだ。そこで彼らが辿り着いた答えは、自らのコーポを持つ、つまり小さいながらも自らの独立した世界を持つことによってよりよく生き、よりよくサヴァイヴするということだった。暗黒メガコーポには絶対に勝てない、弱者は足掻いて潰される、それがノワールの美学……? 違う。それはただのティピカルで居心地の良い反復に過ぎない。ニヒリズムの時代はアマクダリ・セクトの終焉とともに終わったんだ。これは期せずして、フジキド・ケンジの勝利がもたらした副産物の一つと言えるだろうね」


5位:本編第1シーズン第10話【ソウカイ・シンジケート】

B:「熟練のニンジャ同士が極限のイクサを繰り広げるシチュエーションには常に興奮させられる。とくに、それぞれに在りようを変えたザイバツとソウカイヤが互いにぶつかり合うとなれば……それも成長したチバ=オヤブンの膝元で! マスラダはその瑞々しい傍若無人さで激しく燃え、状況を打開していった。彼のふてぶてしさには、見ている僕自身救われるところがある」


6位:本編第1シーズン第12話【オラクル・オブ・マッポーカリプス】

B:「第1シーズンは、マスラダ・カイとは何者か、AOM世界はどのような世界なのかを追ってゆく導入部だ。散らばった線がナスカの地に収束し、サツガイの出現を特異点として、マスラダという存在が輪郭を持つに至る。今回のカタストロフィを以て、AOMという物語は一段ギアを上に切り替えた形となる。恐るべき冒険が幕を開けたのだ」


7位:本編第1シーズン第7話【ダメージド・グッズ】

B:「ウキヨというのはなんなのか。僕がイメージするのは、美しくしなやかな獣だ。このエピソードは複雑なテーマをはらんでいる。社会であるとか、軋轢であるとか……。だがそれを逐一説明しても仕方のない事だ。物語はただ物語としてそこにある。あとは様々な人々が、それを色んな角度から眺め、その人ごとに、どのような形の影が描かれるか、という事だと思う」


8位:【ハイヌーン・ニンジャ・ノーマッド】(PLUS)

M:「僕はニンジャが好きだ。当然ながらサムライも好きだし、サムライスポーンのフィギュアも好きだった。でもこの物語はニンジャの物語だ。だからいつか、ニンジャスレイヤーをサムライにするのが夢だった。ニンジャスレイヤーの代替わりというアイディアを思いついた時に真っ先に考えたのは、武者鎧を着てカタナを構えたキルジマのことだった。そして夕陽を背に、乾いた道の真ん中で向かい合うニンジャと、血みどろのサムライニンジャスレイヤー。それがすべてだ。それにしても、平安時代や中世暗黒時代を描くのはワクワクするね。現代や2048ADとは全く常識やモラルが違うし、コンプライアンスも何もないから、最高にアナーキーで無慈悲でショッキングな世界が描ける(それでいて、最新のはずのAoM時代と何らかの共通点が見つかるかもしれないので楽しみだ)。でもどの時代であろうと、普遍的に必ず存在するのはモータルの怒りと情念、そしてニンジャソウルとカラテのはずだ。それを描くのがサムライニンジャスレイヤーの試みなんだ。キルジマは死ぬ。ニンジャスレイヤーとして爆発四散して死ぬ運命だ。それはAoMを読んでいればもう皆わかっているはずだ。これはそこに至るまでの、暗く壮絶な物語なんだ」


9位:本編第1シーズン第9話【カロウシ・ノー・リモース】

M:「日本の満員電車の恐ろしさと無慈悲さは、YouTubeなどを通して、僕の暮らすステイツでも広く知れ渡り始めている。僕は始めてその動画を見たとき、恐怖のあまり夜よく眠れなかった。だが、そこにニンジャが乗り込んでいたらどうなるか、あまつさえ殺し合いを行っていたらどうなってしまうのか、という真の恐ろしさについては、これまであまり知られてこなかったと思う。その恐怖と真正面から向かい合って描いたエピソードだ」


10位:【テラー・フロム・ディープ・シー】(PLUS)

M:「僕は蛸が好きなんだ、昔からね。それに以前、日本のニンジャヘッズの間でウキヨエ・コンが行われた時、フジキドが巨大な蛸と戦っているイラストがあったのを僕はすごく気に入って、ずっと覚えていたんだ。それ以来、僕はニンジャと蛸の組み合わせに関して強い確信を抱き、いつかフジキドが蛸と戦うエピソードを描かなくちゃいけないと思っていた。こうして発表できて、とても満足だね。ありがとう。もちろんそれ以外にも、単純にフジキドとナンシー・リーの物語として、ここにはたくさんのテーマを詰め込んだよ。僕は本当に大切なものを誰が見てもわかるようなピカピカの額に入れて飾ったりはしないんだ。そういう性分なんだよ」


分析と総評:ニンジャエピソード投票研究家Mr.ウィルキンソン氏

最も票を集めたのは「エリミネイト・アナイアレイター」、そこに「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」が続く。これらはシーズン2のプレ・エピソードとなる直近の話数であり、例年通り新規エピソードの得票ブースト恩恵を得ることが出来た。連続した本編エピソードのなかでも、上位に入ったものは公開時期が比較的最近のものだ。「ソウカイ・シンジケート」はソウカイヤとザイバツが入り乱れる豪華な展開であり、「オラクル・オブ・マッポーカリプス」は第1シーズンの諸要素が収束してゆく大詰めのエピソードとして注目を集めた。旧トリロジーにおいてキャリアを積んできた登場人物のAOM世界での動向に注目が集まっている事も間違いない。最近スタートを切った第2シーズンは新旧の登場人物がいよいよ激しく交錯する内容であり、物語は大きくうねっていくだろう。ニンジャスレイヤーPLUSコンテンツのなかでは、レッドハッグのオリジン・エピソードである「ザ・グロウ」、フジキドとユカノの心温まる「ドラゴン・ドージョー・リライズ」、サムライニンジャスレイヤーという新機軸「ハイヌーン・ニンジャ・ノーマッド」が力強い支持を得た。これらのことから、今後も本編・サブストーリーともに目が離せないエキサイティングな展望を持った。このほかにもPLUSには「クルセイド・ワラキア」や「デッド! デダー・ザン・デッド!」など他にも強力な連載も存在するが、2017年内は未だ連載中であったため、ノミネート対象外となっている。2018年のエピソード投票での健闘に期待したい。


今回は接戦でした!

ボンド=サン、モーゼズ=サン、ウィルキンソン=サン、ありがとうございました。最後にデータマン(IQ190)が解析したランキング内訳と得票率のグラフを紹介して終わろうと思います。ワオ、それはまるで虹色のドーナッツ! 細かい数字よりも、その接戦アトモスフィアを感じ取っていただければと思います。2018年はどんなエピソードが現れるのか楽しみですね。それではまた、2018年末のエピソード投票でお会いしましょう。STAY NINJA!


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