見出し画像

S3第4話【ヨロシサン・エクスプレス】#10

総合目次 全セクション版
分割版:◇1 ◇2 ◇3 ◇4 ◇5 ◇6 ◇7 ◇8 ◇9 ◇10

9 ←


 コトブキは湖上の鉄橋の前方はるか先、たった一両切り離された車両のふちに佇むニンジャスレイヤーを見つけた。「オーイ! オーイ!」彼女は飛び跳ねて手を振り、それから戯れにモールス信号を試みた。コトブキデス。

「ハァ……ハァ……! ヤベエ……!」その横に、一連の危機をなんとか切り抜けたザックが並んだ。彼は一度、後ろを……通り抜けてきた惨劇を一度振り返った。サクリリージが殺しながら進んできた通路を、彼らは追体験した格好だ。

 もはやザックの恐怖の感情は麻痺してしまっている。彼は深呼吸して気持ちを切り替えた。彼は連結パーツからレールを伝って、糸めいたワイヤーがシュルシュルと伸びてゆくのを指差した。「これ、このまま合体すンだぜ! 連結だ。俺、ヨロシンカンセンに詳しいぜ」とりとめもなく、己を鼓舞するように言った。

 それからザックは、どこからか調達した双眼鏡を覗き込んだ。「あれ、アニキだよな?」ニンジャスレイヤーはまだコトブキ達に気づいていないようだった。かわりに彼は、なにかをじっと見ていた。「遠いですね」コトブキが呟いた。


◆◆◆


 オオオン……。超自然じみた唸り風に乗って、オリガミの火の粉、桜色の花弁は、鉄橋の上から湖へ、はらはらと散っていった。後ろの車両の屋根の上にヤモトが立っていた。身体の周囲を舞う桜色の霞が散ると、その身にまとうのはキモノめいた神秘的な装束であった。

この続きをみるには

この続き:4,254文字
この記事が含まれているマガジンを購読する
加筆修正がなされた連載まとめ、人気キャラスピンオフ、設定資料などを豊富に収録。PLUS講読期間中は、このマガジン内の記事が読み放題状態となります。さらに毎月新たな記事が10本以上追加されていきます。 【TRPGプレイヤーの方へ】2019年12月からTRPGサプリのソウルワイヤード・マガジンが独立しました。PLUSでも基本ルールブックと最低限のプラグインにアクセスできます。

サイバーパンクニンジャ小説「ニンジャスレイヤーAoM」の連載まとめ、書下ろしエピソード、コメンタリー、資料集などが読み放題! PLUS...

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

🍣🍣🍣キャバァーン!
20
「ニンジャスレイヤー」などを連載する、オンライン・パルプノベルマガジンです。