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【旧】ニンジャスレイヤーPLUS

【ご注意:noteのシステム移行により、定期購読マガジン版は更新を終了しメンバーシップに完全移行します。新規購読はメンバーシップのほうへお願いします!】 https://dieh… もっと読む
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定期購読マガジンからメンバーシップへの切り替えのおねがい(2022/8/31更新)

いつも「ニンジャスレイヤーPLUS」「ソウルワイヤード」「DHT-MAG」の購読と、ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズの活動サポートありがとうございます。 2022年7月から、noteでは「メンバーシップ」という新機能が始まりました。これは簡単に言えば、これまでの「定期購読マガジン」の上位互換のようなシステムです。 このためdiehardtales.comでも、上記3つの定期購読マガジンをメンバーシップに移行させ、より読みやすく、より楽しいものにアップグレードして

【ピザタキ】スレイト・オブ・ニンジャ

【ピザタキ】

【AoM シーズン4エピローグ】

S4第9話 ← 『貴様らの都に、最後の滅びを……千年の呪いを、くれてやる……!』  セトの叫びは爆発四散パーティクルとなって儀式荒野を散っていった。マスラダとフジキドは、どちらからともなく、口を開こうとし……その瞬間、同時に、弾かれたように一方向を凝視した!「ミイイイヤアアア」茶器のデーモンである!  肥え太ったデーモンはギョロつく目を激しく動かし、電子涎を撒き散らして狂ったように跳ね始めた。「ミイイイ!」乱雑な牙が生え揃うデーモンの口がすぼまり、セトの爆発四散パーティ

【ビースト・オブ・マッポーカリプス後編】セクション別 #12

11 ← 12「とにかく、ちょっと用事があってよ!」「何?」「全然わからん」仰天するトイコとヨウナシにクールなアイサツをキメたザナドゥは、内心かなり恐怖しながら、病院から外に向かっての高高度跳躍を行った。「イヤーッ!」彼のニンジャ筋力は応えた! 前転して地面に着地した彼は、そのまま走り出した。 (とりあえず……これならいける!)病み上がりの肉体に自己認識をすり合わせながら、彼は速度を上げた。跳べるか?「イヤーッ!」跳べた。彼は「電話王子様」のネオン看板を蹴り上がり、雑居ビ

【ビースト・オブ・マッポーカリプス後編】セクション別 #11

10 ← 11「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」血みどろのマルノウチ広場ではニンジャ達のカラテ・シャウトが入り乱れ、黄金の影の群れとネオサイタマのニンジャ達が激しい戦闘を繰り広げていた。巨塔の上空には台風の目じみた渦が生じ、黒い稲妻が四方八方にひらめき続けていた。 「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」高く浮遊する青翡翠面のニンジャ、ソルエクリプスが四方八方光を放射するたび、黄金影たちは次々に新たに生じ、出自も所属もばらばらのニンジ

【ビースト・オブ・マッポーカリプス後編】#9

8 ← 9 セトは残像を伴うチョップを構え、なお警戒した。サツバツナイトは確かに気絶している。だがドラゴン・ニンジャクラン自家薬籠中のチャドー呼吸を継続している以上、侮りはすまい。ニンジャの極限戦闘において、シニフリ・ジツの類いが勝負を覆した記録は枚挙のいとまがない。  ボ。ボッ。ボボッ。空気を食う残像音を放つチョップを微かに動かす。「スウーッ。ハアーッ……!」俯いたジュー・ジツ姿勢のサツバツナイトが、ぴくりと動いた。セトは目を見開いた。反射だ。空気の震えにサツバツナイト

【ビースト・オブ・マッポーカリプス後編】#8

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【ビースト・オブ・マッポーカリプス後編】#7

6 ← 7 二者の頭上には黄金の立方体が冷たく輝いている。生育を続ける巨大な蔦、あるいは木の幹は、冷たい黄金立方体をめざし、垂直に伸び続けている。太陽を掴もうとあがく罪人めいて。だが、あまりにも遠いのか、あるいは距離という概念が愚かなのか……黄金立方体は少しも近づくことがない。  のたうち伸びる蔦という足場は、不安定ではあったが、彼らのニンジャバランス感覚をもってすればイクサにいかほどの支障をもたらす事もない。非ニンジャであれば1秒と保たず足を滑らせ遥か下のネオサイタマへ

【ビースト・オブ・マッポーカリプス後編】#6

5 ← 6 無限のコトダマ地平の荒野、投射されたネオサイタマ俯瞰映像を前に佇むセトは、長い指を動かし、形の良い顎に添わせながら、己が目論見のつつがなきを寿ぐ。マガタマの力が触媒となって、アヴァリスは「破裂」した。彼の存在は無限の変遷のなかで混沌の万色の波動にまで分解され、やがて純粋な器が出現するだろう。  荒野に接続したリアルニンジャ達の意識を映し出す石碑はノイズ風によってささくれていた。接近したキンカクの力……そしてエネアドの磁気嵐だ。他の者達がセトに向ける疑念の言葉や

【ビースト・オブ・マッポーカリプス後編】#5

4 ← 5 フジキド・ケンジ=サツバツナイトは、ユカノ=ドラゴン・ニンジャ、長い眠りより覚めた神秘のハッカー=ナンシー・リンと共に、ダークカラテエンパイアの恐るべき古代ニンジャ=セトの陰謀を打ち砕くべく、セトのフロント企業たるエネアド社に突入した。深部で待ち受けていたのは、カラテだった。  大門を守るセンチネルとサイバーファラオは、さながらブッダテンプルのア像とウン像を思わせる双璧の巨人。巨体にくわえ伸縮自在の腕で攻撃するセンチネル、サイバネティクスで獲得した巨体で襲いか

【ビースト・オブ・マッポーカリプス後編】セクション別 #4

3 ←  プロココココ! プロココココ! UNIX駆動音に律動するピザワゴンのカウンターで、ザックは必死にピザを焼き続けた。「ピザ、焼き上がったよ! 次の人! ……ハイ! ピザ、もうすぐ焼けるよ! ……ハイ、次の人! え? パイナップルピザ? ちょっとまってくれよ、パイナップルは……!」  サイバネ中毒者達はズンビーめいて大人しく列にならんでいた。彼らの点滅する目の光は薄闇のなかで恐ろしい。「パイナップル……あった……」ザックは隅に見つけた冷凍パックのピザを並べ、石窯にI

【ビースト・オブ・マッポーカリプス後編】セクション別 #3

2 ← 3『010001……0010101』マルノウチ・スゴイタカイビル内、無人のカフェ。拝借したレジUNIXがノイズを吐いた。コトブキはLANケーブルを外し、頷いた。ナンシーとの通信は不安定で、やり取りの為に確立できた時間はごく短いものだった。だが、すべき事を整理するには充分だ。 「紅茶が入りました」リバティがコトブキに呼びかけた。薄白い湯気が漂う。窓際の席にカップを準備したリバティは、妖精めいた儚げなアトモスフィアだった。窓の外にはネオサイタマの景色が広がっているはず

【ビースト・オブ・マッポーカリプス後編】セクション別 #2

1 ← 2「ようやく俺の番だ」アヴァリスは不敵に微笑んだ。「神聖なるオミクジの順番決めやら、カリュドーンの典範やら、実際くだらない限りだ。所詮あのセトがお膳立てした茶番だろうに、神聖もクソもない。そう思わんか?」「……」ニンジャスレイヤーは無言。 「他の狩人連中とのイクサはどうだった、ニンジャスレイヤー=サン?」半神はその目を爛々と輝かせた。「コンヴァージの瓦礫の力はどうだった。手強かったか? ベルゼブブの蝿はどうだ。厄介だったか。マークスリーのチャドーには手こずらされた

【ビースト・オブ・マッポーカリプス後編】セクション別 #1

1「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」  一糸乱れぬ、同期されたカラテ・シャウトのビートがネオサイタマに響き渡る。まるでそれは空に浮かぶキンカク・テンプルの邪悪な鼓動音だ。「イヤーッ!」そのなかで、ニンジャスレイヤーの叫びだけがタイミ